粉瘤

臭いや痛みが生じる可能性も?粉瘤とは

臭いや痛みが生じる可能性も?粉瘤とは「粉瘤」とは、毛穴に角質や皮脂が溜まり、袋状に変化したことで、外からはしこりのように見えるできものです。顔面、頭部、首、背中などによく見られます。直径1~2センチくらいで見つかることが多いものの、放置して10センチくらいにまで大きくなることもあります。
触ると皮の下で少し動くような感じがあり、色はまわりの皮膚と同じです。ただ、中心に開いた毛穴が黒っぽい点のように見えることもあります。
また、押したときには中から嫌なにおいのするおから状の物質が出ることがあります。赤く腫れたり痛みが出たりすることもあるため、ご自身で押したり潰したりしないようにしてください。

なぜできる?出来やすい人は?粉瘤の原因について

なぜできる?出来やすい人は?粉瘤の原因について毛穴に角質や皮脂が溜まり、その毛穴が袋状に変化することで粉瘤が形成されます。
つまり誰にでも起こりうるものですが、比較的男性の発生率が高いと言われています。
なお、なぜ粉瘤ができるのか、はっきりしたことは分かっていません。外傷やニキビ跡、ウイルス性イボなどをきっかけとして発生する粉瘤もありますが、原因を特定できない症例が圧倒的に多くなります。

ほうっておくとどうなる?手術せずに自然治癒できる?

粉瘤は自然治癒することはありません。放置していると、さらに皮脂・角質が溜まり、次第に大きくなっていきます。10センチほどにまで大きくなったケースも見られます。
炎症や膿瘍に至ることもあるため、早めにご相談ください。また早めに治療(手術)を受けることで、傷痕も小さくなります。

自分で潰すとどうなる?

粉瘤を潰してしまうと、破れたところから感染することがあります。化膿して激しい痛みや発熱を伴うことも少なくありません。
またその後治療を行った場合も、跡が残りやすくなります。粉瘤が気になっても、できるだけ触らず、必ず医療機関で治療を受けるようにしてください。

粉瘤は人にうつる?

粉瘤や、皮脂や角質が溜まった毛穴が袋状になり、形成されるものです。そのため、その粉瘤と直接・間接的に接触したからといって、人へとうつることはありません。

悪性化することも?粉瘤と悪性腫瘍の見分け方

粉瘤は良性の腫瘍です。しかし、慢性的な炎症が続いていたり、長期間放置されたものうち、ごく稀に悪性化することがあります。
特に、急激に大きくなったもの、潰瘍化したものは悪性腫瘍の疑いが強まります。少しでも疑わしい場合には、組織を採取し病理検査を行い、良性・悪性の判定を行います。

粉瘤の治し方は手術のみ

粉瘤の治療では、手術が必要になります。
切開法とくり抜き法があり、患者様に合った術式を選択します。

切開法(従来法)

切開法(従来法)粉瘤のある部位を紡錘形(レモンの形)に切開し、粉瘤を袋ごと摘出し、縫合します。
袋ごと摘出するため、再発することはほとんどありません。一方で、やや傷痕が大きくなります。

くり抜き法(へそ抜き法)

くり抜き法(へそ抜き法)粉瘤の中心に小さな丸い穴をあけ、粉瘤を袋ごと外に出します。袋の内容物を絞り出してから、袋も摘出し、縫合します。
切開法と比べると、袋の一部が残ってしまうことがあり、その場合は再発のリスクがやや高くなります。一方で、傷痕が小さく目立ちにくいというメリットがあります。縫合が不要なケースも少なくありません。